南半球に思いを馳せる - 冬のニュージーランド
紹介
地理
オーストラリアから東〜南東に約2000km離れた所に位置する島国、ニュージーランド。
大きく北島、南島に分かれています。首都はウェリントンで、北島の南岸付近にあります。最大都市はオークランドで、こちらも北島ですが、北岸付近にあります。
観光とか文化とか
自然が多く、かつその保護にもかなり力を入れています。島国であることから独特の生態系、固有種を持つため、とにかく外来種を入れない努力をしています。入国時の持ち物等には十分注意してください。
イギリス連邦に属していながら、現地の食べ物は美味しいです(失礼)。物価は高めですけど。
バンジージャンプやスカイダイビング、ジェットボートなど、勇気はいるけれど豊かな自然を楽しめるアクティビティが盛んです。山もあり、登山、ハイキング、自転車で下ったりなどなど。スキーもできるみたい。また、イギリス入植前から住んでいたマオリ人の文化や言葉を大事にしている印象があります。
地域によってはワインの生産が盛んですし、軽めながら多様な地元のビールもあります。牛肉や羊肉の生産が盛んで、島国ですのでシーフードも充実しています。牡蠣をはじめ生食できる貝も豊富で、現地の赤ワインビネガーで食べるとたまりません。
温帯にある島国、地震が多いなど、気象や地象の面で見ても日本に似ているところが多い国です。経度も近いので時差も3〜4時間と小さいです。
さて、9月に入り、真冬を過ぎて徐々に春に近づきつつあるニュージーランドですが、実際に今どんな気候なのか、ここ30日間のデータを見てみましょう。日本と真逆の季節のニュージーランドを想像する一助になれば幸いです。
最後に交通などの案内、観光サイトのリンクもあります。
北島の気候
オークランド
北から見ていきます。まずはニュージーランド最大の都市であるオークランドにあるオークランド国際空港のデータ。
冬の高気圧にしっかりと覆われた期間は8/22〜8/26の4日間ほど。この期間は高気圧にすっぽりと覆われた結果、雲がほとんどなく風も弱くなったため、夜間は放射冷却が効いて最低気温が低くなっています。ただ、それでも4〜8℃程度と、日本の冬向けの服装があれば問題ない程度。日中はモコモコした服だと少し暑そうですね。
それ以外の期間は雲が多く、夜間の気温が低くても10℃程度と下がりにくかった一方、雨の多い1ヶ月でした。8/19〜8/20頃はウィンターストーム的な低気圧の接近があったようで気圧の大幅な低下と短期間の発雷がみられます。気温が高かったため都市部で雪は観測されていません。
日中の気温は概ね16〜18℃程度。風がやや強く、体感気温は見た目の気温よりも低いですが、厳冬期のまでの服装は不要でしょう。この時期の平均的な気温は最高気温で15〜16℃、最低気温で7.5〜9℃程度ですので、高気圧に覆われた4日間を除くと平年よりやや暖かく経過しているようです。
オークランドはニュージーランドの中でも最も温暖な都市の1つで、冬季の雨がやや多い特徴があります。この1ヶ月は平年よりもさらに雲・雨が多く、冷え込みはやや弱く経過しました。雨が多いと屋外のアクティビティには向かないかもしれませんが、山では雪になるのでウィンタースポーツにとっては良いかもしれません。また、料理や文化を楽しむには寒過ぎずむしろ良いかもしれません。
オークランドは都市なので便利ですし、あらゆる食べ物が食べられるし、一方で街中に火山の火口があったりと面白い街でもあります。他の都市への乗り継ぎをする前に1泊くらいしてみてもいいのではないでしょうか。
ウェリントン
ニュージーランドの首都、ウェリントンにあるウェリントン国際空港のデータです。
オークランドより大分南に位置するのですが、最低気温の平均はオークランドとあまり変わりません。雨が多いのも同様。
風向きの関係か風が弱まるタイミングがあまりないため、晴れても放射冷却があまり効いていない様子で、オークランドより最低気温が高い日も多いです。風が弱い日だけ放射冷却で最低気温が低くなっているのが見て取れます。また、オークランドより全体に最高気温が低い事もあり、気温の日変化が小さくなっているのが特徴的です。
全体に風が強く、瞬間風速では60ノット = 約30m/s を超えた日もあります。北島南東部の飛び出た部分にあるため、海峡を抜ける北風、南風が強く吹き抜けやすいようです。おまけで風向のグラフも載せておきます。ほとんど北風か南風が卓越しており、両極端なのがわかります。
本来この時期の平均的な気温は最高気温で12〜13℃、最低気温で6.5〜7.5℃と、オークランドに比べ緯度なりに低温なのですが、今年は深夜〜朝方の冷え込みが平年より弱かったと言えそうです。
ウェリントンは首都らしく政治の中心であり、また芸術、文化、映画や演劇などの中心でもあるようです。数日滞在してゆったり楽しむのが良いかもしれません。
南島の気候
クライストチャーチ
南島最大の都市であるクライストチャーチは、東部のピョコッと飛び出た半島の付け根部分にあります。グラフはクライストチャーチ国際空港のここ30日のデータ。
パッと見て、北島より随分雨が少ないのが目につきます。高気圧に覆われた8/22〜8/30頃をはじめ、晴れて日中の気温が上がり、夜は放射冷却で冷え込みと、日変化が大きい日が目立ちますね。最低気温が氷点下となった日もいくらかあります。
また、気圧を見ると、大きい低気圧以外にも気圧低下が多数あり、小さい低気圧の影響を強く受けていることがわかります。北島よりも南極からやってくる寒気の影響を強く受け、幾つも低気圧ができては抜けて行ったんでしょう。
この時期の平均的な気温は、最高気温が13〜15℃、最低気温が3〜5℃くらい。降水量も1年の中では多い時期だが、北島より少ない。概ね平年通りだったようですね。
北島よりも寒いけど、日本の一般的な冬向けの服装でちょうど良さそうですね。
クライストチャーチという名前からもわかるように、大聖堂が有名なのですが、覚えている人も多いでしょう、2011年、日本で東日本大震災が起こる直前に発生した地震とその余震で大部分が損壊、その後残念ながら解体が決まりました。現在は大聖堂の近くに紙で作られた聖堂ができているようです。
その他に酪農や畜産、畜産も盛んで、現地の食材を楽しむこともできます。また、マウントクックやテカポ湖へ向かう路線バスや観光バスがあり、大自然への旅の出発地としても適しています。
クイーンズタウン
南島の南部にあります。以下はクイーンズタウン空港のここ30日のデータ。
クライスチャーチよりもさらに雨が少ないですね。最低気温は平均で2〜3℃くらい、日中の最高気温は10℃ちょっとといったところでしょうか。平年値よりもやや高めで、こちらも日本の冬向けの服装でよさそうです。
クイーンズタウンは山あいの街で、ワカティプ湖畔に面しており、周辺の自然を含め美しい風景を楽しめます。クイーンズタウン空港へ向かって降下するときからもう絶景が楽しるでしょう。小さい街ですが美味しい食べ物も色々ありますし、湖には観光船もあります。
写真投稿サイトで見てみよう:queenstown photos / 500px
静かな風景とは裏腹に観光客であふれていますが、そこはもう仕方ないですね。
交通
日本からニュージーランドへ
ニュージーランド航空
最も乗り換えが少ないのはニュージーランド航空です。スターアライアンス加盟。
オークランドまでは直行便あり。その他の都市へはオークランドで国内線へ乗り継ぎ。
- 成田 - オークランド(直行便):成田を夕方発・オークランドに朝着、オークランドを朝発・成田に夕方着の1往復、毎日運行、通年運行
- 羽田 - オークランド(直行便)
- 関西 - オークランド(直行便):関西を夜発・オークランドに昼頃着、オークランドを昼前発・関西に夕方着の1往復、いずれも水・金・日運行、10月下旬から3月下旬の季節運行
スタッフもフレンドリーで機内食も美味しく、おすすめです。横並びの3席を購入できるスカイカウチという仕組みもあります。
ニュージーランド国内は、ニュージーランド航空の国内線が利用可能。ニュージーランド航空または代理店で一括発券できます。
ANA +α
日系を使いたい方向け。ANA便でシドニーまで行き、そこからニュージーランド航空かヴァージン・オーストラリアに乗り継ぎます。
オークランドを含む各都市へ1回の乗り継ぎで行くことができます。ANAまたは旅行代理店で一括発券でき、荷物もスルーでニュージーランドまで預けられます。ANAとニュージーランド航空はスターアライアンス加盟。ヴァージンはアライアンス未加盟。
- 羽田 - シドニー:羽田を夜発・シドニーに朝着、シドニーを夜発・羽田に早朝着の1往復、毎日運行、通年運行
- シドニー - ニュージーランド各都市:ニュージーランド航空便またはヴァージン・オーストラリア利用
シドニーに朝着き、シドニーを夜出るので、乗り継ぎ便の選択肢がそこそこあります。行き先によっては曜日限定運行の便が多いので、うまく乗り継ぎ便が出ない場合は日付をずらすか、スケジュールを調べてみましょう。わからなければ相談してください。
さらにオークランドで乗り継いだ方がスムーズな場合もあり、そうしたい場合はANAでオークランド行きを予約、別でニュージーランド航空またはジェットスターの国内線を予約して利用することになります。
JAL +α
日系を使いたい方向けパート2。JAL便でシドニーまたはメルボルンまで行き、そこからカンタス航空に乗り継ぎます。
オークランドを含む各都市へ1回の乗り継ぎで行くことができます。JALまたは旅行代理店で一括発券でき、荷物もスルーでニュージーランドまで預けられます。JALとカンタス航空はワンワールド加盟。カンタス便は、一部LATAMやエミレーツ運行便を含みます。
- 成田 - シドニー:成田を夜早め発・シドニーに早朝着、シドニーを朝発・成田に夕方着の1往復、毎日運行、通年運行
- 成田 - メルボルン:成田を朝発・メルボルンに夜着、メルボルンを深夜発・成田に朝着の1往復、毎日運行、通年運行
- シドニー/メルボルン - ニュージーランド各都市:カンタス航空便利用
行きはシドニー経由、帰りはメルボルン経由で予約すると、オーストラリアで宿泊する必要がなくなり時間を有効に使えるかも。
カンタス航空
ワンワールドがお好きで羽田から出発したい方向け。都内や神奈川の人とか、国内線で羽田を経由する地方の人とか。カンタス便でシドニーまで行き、そこから同じくカンタス便に乗り継ぎます。
12月からは曜日限定ですが関西からも行けます。
オークランドを含む各都市へ1回の乗り継ぎで行くことができます。もちろん成田からも行けます。
- 羽田 - シドニー:羽田を夜発・シドニーに朝着、シドニーを夜発・羽田に早朝着の1往復、毎日運行、通年運行
- 関西 - シドニー:関西を夕方〜夜発・シドニーに朝〜昼前着、シドニーを朝〜昼過ぎ発・関西に夕方〜夜着の1往復、いずれも月・木・土運行、12月中旬〜3月下旬の季節運行
- 成田 - メルボルン:成田を夜発・メルボルンに朝着、メルボルンを朝発・成田に夜早め着の1往復、毎日運行、通年運行
- 成田 - ブリスベン:成田を夜発・ブリスベンに朝着、ブリスベンを昼前発・成田に夜早め着の1往復、毎日運行、通年運行
- シドニー/メルボルン/ブリスベン - ニュージーランド各都市:カンタス航空便利用
その他
他にもルートは色々ありますが、オークランド以外に行くには乗り継ぎが増える場合が多いので割愛。詳しく知りたかったら、下記リンクの代理店で検索するか、ここのコメント欄で聞いてください。
終わりに
ニュージーランドは物価がやや高め、特にアクティビティを含む観光周りはそれなりにかかる場合もありますが、それに見合う美味しさ、楽しさ、美しさがあると思います。
ホテルについても、安いモーテルや複数人が同じ部屋に泊まるドミトリーみたいなバックパッカー向けのも多くあるので、探してみてください。
航空券とホテルを別々ではなく、旅行代理店でセット売りされているものにすると、総額で安くなる場合もあるのでチェックしてみてください。キャンセル規定等が異なるのでそこは要確認。店舗でなくオンラインでとると良いです。
今後も気候・天気で面白いことがあった時とか、季節ごとに気候と合わせてまた紹介したいと思っています。しかし1国1記事だと大変だと分かったので、1記事1〜2都市ですね。
リンク
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天気
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MetService(公式の気象情報サイト。警報も見られます。)