天気と飛行機、時々旅行

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2017 台風18号 - 9/16 15時時点での構造

中心付近は未だに暖かく湿った空気のみでできており、熱帯低気圧らしいですが、かなり北からの乾燥空気を巻き込んできました。(気象庁 | 天気図 を加工して作成)

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台風から離れた所でも前線による雨が降っています。乾燥空気がほぼ一周したことにより、台風前面の雨域は東に切り離されてきました。天気図の台風の位置と見比べてみてください。(出典:気象庁 | レーダー・ナウキャスト(降水・雷・竜巻)

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これにより、荒天のエリア台風の中心近くと、その前面で先行して降る雨域2段構えになりました。この後は雨雲の発達も予想され、台風から離れていても油断できない状況になりつつあります。

注意点については過去記事をご覧ください。

airwx.hatenablog.jp

衛星画像を見ると、乾燥空気の巻き込み具合が分かりやすいです。14日15時、15日15時、16日15時の水蒸気画像を順に並べてみます。(出典:気象庁 | 気象衛星

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水蒸気画像では、水蒸気の多い湿っている部分が白く、水蒸気の少ない乾燥している部分が黒く写ります。

今日の15時の画像では、中心に近い所まで乾燥空気が入ってきているのが見て取れますね。温帯低気圧化が進んできていると言えそうです。

これにより、14日の時点では台風の周りに対称に雲(と強風エリア)が分布していたのが、今日にかけては著しく不均一になってきています。かなり東まで雨が強まりつつあることもイメージしやすいのではないでしょうか。

くどいようですが温帯低気圧化=衰弱ではありません。海水温が低い所に入ってきたため衰弱の傾向は見られますが、この後も低気圧として十分強い勢力を持っていると言えますし、温帯低気圧として再発達する場合もあります。ご注意を。

熱帯低気圧温帯低気圧は構造、発達の仕組みが違うもので、強さの区分ではありません。台風は発達した熱帯低気圧なので、台風→熱帯低気圧の変化は衰弱ですが、台風→温帯低気圧の変化は構造が変わったものです。