天気と飛行機、時々旅行

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2017年 台風21号 - 羽田・成田・中部・関西振り返り

風は結構吹きました。吹き返しの風も強かったですね。

雨については、やはり降り始めが早く、強く長く降りました。特に紀伊半島〜東海付近では河川が氾濫するような雨になりました。

鉄道・道路にも影響が出たほか、航空便も大規模空港で早くから激しい乱気流などの影響で運行に乱れが発生しました。通常運航された便においても、強い揺れに遭遇した方は多いでしょう。

関西

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ここ2日間の関西空港の気温・相対湿度・風速・QNH

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ここ2日間の関西空港の絶対湿度(水蒸気量)・卓越視程・雲底高度

強い雨は22日の昼頃から深夜にかけて。最接近は真夜中頃で、風は平均風速で40ノット近く、瞬間では50ノット以上吹きました。

強風や強雨に先行して、離着陸機から中程度〜激しい乱気流の報告が多く寄せられました。夜間に報告が無いのは結構もありそもそも飛んでいなかったからでしょう。

台風が遠く、かつ温低化過程にある台風の西にずっとあったため、しっかりと暖湿気が入ることはありませんでした。ただ、今日に入ってからは北からの乾燥した空気が入り、昨日との水蒸気量・湿度の差は顕著になっています。

中部

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ここ2日間の中部国際空港の気温・相対湿度・風速・QNH

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ここ2日間の中部国際空港の絶対湿度(水蒸気量)・卓越視程・雲底高度

中部国際空港セントレア)では、強い雨が22日夕方から真夜中過ぎまで続きました。最接近は真夜中過ぎで、関空よりもやや遅い程度。転向して本州の南にいる頃なので、距離は違うものの、最接近時刻は近くなりました。

中心に近い分、風は関空よりも強く、平均風速で45ノット以上 、瞬間で60ノットまでいきました。強い雨がある時間には視程の悪化も顕著ですね。

こちらも台風が遠く、かつ温低化過程にある台風の西にずっとあったため、そこまでしっかりと暖湿気は入りませんでした。関空と同じく、今日に入ってからは北からの乾燥した空気が入り、昨日との水蒸気量・湿度の差は顕著になっています。

羽田

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ここ2日間の羽田空港の気温・相対湿度・風速・QNH

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ここ2日間の羽田空港の絶対湿度(水蒸気量)・卓越視程・雲底高度

台風は関東を通過する際、羽田空港のすぐ西を通過していきました。

最接近は23日の早朝ですが、先行して前線の強い雨雲がかかり、22日の午前中から強い雨が降っていました。むしろ台風が近づいてからは、局所的な強い収束を除いて降雨は落ち着いています。温低化の過程にあって雨雲が前線部分に偏っていたためだと思われます。

最接近前後において、風は平均風速で50ノット近く、瞬間では65ノット程度吹きました。

強風や強雨に先行して、22日の午後を中心に、離着陸機から中程度〜激しい乱気流の報告が多く寄せられました。それでも次に紹介する成田よりも状況は良かったようで、夜もちらほらと離陸機がみられましたし、成田からのダイバートも受け入れていました。

台風の東側に入ったことにより、最接近前後には南からの暖湿気が強く流入しました。1枚目のグラフで、夜間帯にも関わらず気温が急上昇した様子が、2枚目のグラフから、同時に空気中の水蒸気量も急上昇した様子が見て取れます。

その後、今日の朝以降は北からの乾燥した空気が入り、水蒸気量が急激に減少。晴れて気温が上がったこともあり、相対湿度も30〜50%まで急低下しました。肌や呼吸器ではっきりと実感できる変化ですね。

成田

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ここ2日間の成田空港の気温・相対湿度・風速・QNH

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ここ2日間の成田空港の絶対湿度・卓越視程・雲底高度

こちらも最接近は23日の早朝ですが、先行して前線の強い雨雲がかかり、22日の昼頃から強い雨が降っていました。

最接近前後において、風は平均風速で30ノット程度、瞬間では60ノット程度吹きました。

強風や強雨に先行して、長時間にわたり低層ウィンドシアやマイクロバーストが発生し、22日午後を中心に激しい乱気流の報告が多く寄せられました。

離着陸が難しい状況と混雑が重なり、長時間の上空待機や着陸やり直し、別空港への目的地変更が多発しました。多くは羽田に向かいましたが、便によっては韓国の仁川に向かったものもありました。これらの便からの玉突きによる遅延や欠航も発生しました。

羽田と同様に、台風の東側に入ったことにより、最接近前後には南からの暖湿気が強く流入しました。夜間帯にも関わらず気温が急上昇、同時に空気中の水蒸気量も急上昇した様子が見て取れます。その後、今日は相対湿度が30〜50%まで急低下しました。

羽田と違うのは、今日もウィンドシアが出っぱなしという所でしょうか。実際、今朝も幾らか着陸やり直しが発生していたようです。ダイバートまであったかは確認していません。