天気と飛行機、時々旅行

お天気や飛行機の話題、解説と、時々旅行その他について書きます。

奄美地方の大雨と飛行機

全般

今日の奄美地方は、南からの暖かい空気が高気圧の狭間で収束して積乱雲が発生、大雨となった所がありました。
単純に湿った空気の中で雲が発達しているのではなく、収束により組織だった雲が発生、かつあまり動かなかったため、局地的に激しい雨が続いた所がありました。

例えば、喜界島。地上観測とレーダー観測から生成される解析雨量で、喜界町付近では解析雨量で14時までの1時間と、16時20分までの1時間にそれぞれ約120mmの雨が降ったとみられるとのこと。
実際の観測点でも、アメダスの喜界島喜界空港)で 13時までの1時間に38mm、同じく14時までに63mm、15時までに95.5mm、16時までに83.5mm、17時までに57.5mm、18時までに27mm、… と、激しい雨が降り続きました。今も10mm/h程度の雨が継続しており、今日午前の降り始めからの雨量は400mmを軽く超えています。周辺ではもっと降っている所もあるでしょう。

下図はアメダス喜界島のここ24時間のデータをグラフにしたもの。Precipitaion Amount が前1時間降水量です。(データ出典:気象庁

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奄美空港からも RI++(Rain Intensity ++ = 激しい雨)が多数報じられました。

飛行機も避けます

発雷の程度はそこまででもなかったようですが、20時の TSAS1(広域雲解析情報図)では雲頂の高さがしばしば 47000feet、所々は 50000feet と解析されていました。50000feet は 約15000mです。

高い所を飛ぶ航空機でも 40000feet くらい、プライベートジェットでも 45000feet 位が上限ですから、周辺を飛ぶ飛行機も避けて通っていました。
むやみに入ると着氷のリスクもあるし、何より旅客機では乱気流による揺れが大きな問題になります。ここまで発達していると鼻先に付いているレーダーでしっかり映っているでしょう。

画像は20:27の Flightradar24 の表示に 20:20 のレーダー画像を重ねたものです。(レーダー画像出典:気象庁 | レーダー・ナウキャスト(降水・雷・竜巻)

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必死にがっつり避けるものもあれば、隙間を縫って最短で行こうとする便もありますね。少なからず揺れるはずなんですが、ベルトサインを点けていれば大丈夫な程度という判断でしょうね。

今後注意すべきこと

引き続き奄美地方周辺には発達した積乱雲がありますし、種子島屋久島付近にも広がってきています。この後は九州本土付近でも積乱雲が発達しやすくなりそうです。

このあたりは定型文になるのですが、発達した積乱雲が近づく可能性がある時は、それに付随する現象に十分注意し、非常用品を確認、最新情報を入手してください。現象というのは例えば以下のようなこと。

大雨

急に強まったり、局地的に降り続くことがあります。

  • 急な増水に備え川に近づかない。
  • 地盤の緩い山に近づかない。
  • もし自宅が危険ならできるだけ早く避難する。
  • 移動する際は前方が冠水していないか、水で溝やマンホール、水路などが隠されていないかよくよく注意する。

雷・ひょう

このあたりは一般的な注意。釣り竿や傘をしまう。屋外、特に平地や高いもののそばに留まらず、安全な場所に避難する。

突風などの激しい現象

雲の動きが不規則になったり、昼間であれば以上に空が暗くなったりなど、異常を感じたらできるだけ頑丈な建物に避難。頑丈な建物に逃げられない場合でも、窓や外壁から遠い家の中心付近に居るようにしましょう。