天気と飛行機、時々旅行

お天気や飛行機の話題、解説と、時々旅行その他について書きます。

週末は雨と強風の後、さらに冬らしく

低気圧と前線

明日は北日本付近と本州南岸付近をそれぞれ低気圧が発達しながら通過します。

これらの周辺、および付随する前線の通過時には、この時期としては強い雨・大雨(北日本の高地では湿った雪)や雷、降ひょう、沿岸部や海上を中心にかなり強い風と高い波に注意が必要になりそうです。(画像出典:気象庁 | 天気図

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まだ気象庁から全国向けの情報は出ていませんが、北海道や東北には、暴風と高波及び大雨に関する地方気象情報が出ています。

新千歳空港の TAF(飛行場予報)でも、明日は平均で30ノット(15m/s)、瞬間で45ノット(23m/s)とちょっとした台風並みの風が予想されています。沿岸や海上ではさらに強く吹くことが予想されます。

その後には強い寒気が到来

現在は昨日までの弱い冬型が一時緩んでいますが、これらの低気圧が通過した後にはこれまでよりも強い寒気がやってきます。上の天気図でも、大陸の高気圧と、そこから朝鮮半島にかけての密集した縦縞から威圧感が伝わってきます。

初雪になる所も多そうです。

全国的に強く冷たい北風が吹きそうですので、飛びやすい物は片付け、体調管理にも気をつけたいですね。

北日本

日本海側を中心に雪が断続しそうで、大雪になるかもしれません。雷や突風の可能性も考えておくべきでしょう。

標高1500mでは全域が-6℃以下の空気に覆われ、特に東北北部や北海道では-10℃以下。

標高5500mでは全域が-25℃以下、北海道では-30℃以下。

東日本・西日本

標高700〜800mまでは0℃以下の空気が流れ込みます。1500mではほぼ全域が-5℃以下、5500mではほぼ全域が-20℃以下です。

日本海側を中心に時雨や雪、雷の可能性がありますね。山地では雪が積もりそうです。

生活・交通

初めに書いた通り、低気圧や前線の通過時には強い雨・大雨(北日本の高地では湿った雪)や雷、降ひょう、沿岸部や海上を中心にかなり強い風と高い波が予想されますので、飛びそうな物とか、風雨や寒さなどに弱いものは早めに片付けておきましょう。

強風と乱気流、飛来物、雨、雷、視程悪化やこれらの合わせ技により、道路、鉄道、航空のいずれにも影響が出る可能性があります。

特に北日本にいる方、北日本に向かう方は最新情報を確認し、代替手段や遅れた場合の事も考えておいた方が良いかもしれません。日程に余裕がある方は、運行や振り替えの状況を確認の上、日程変更を検討してみても良いかもしれません。

また、その後の寒気についても広域で影響が出る可能性があります。ご注意ください。(リスク要因としては強雨が雪に変わります)

[リンク]

寒気がやってきている

予想通り寒気が入っており、北海道の各地では雪が降っています。気温も前日比 -7℃ と低く推移しています。

また、昨日書いた寒気の先端部分(=天気図には書かれていないけれど寒冷前線)の影響で、東北や北陸では雨や雷雨となっています。点線で書いた位置、そんなに間違ってなかったみたいですね。

引き続き、雷や雹、気温低下、視程悪化にご注意ください。

airwx.hatenablog.jp

さらに、その後ろには寒気の中で発生した雨雲・雪雲も見えています。(出典:気象庁 | レーダー・ナウキャスト(降水・雷・竜巻)

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15日18:25のレーダー画像

TAF(飛行場予報)をみると、青森空港では今夜遅くにかけて次第に雪へ変化し、明日は割としっかり雪になる予想になっています。

TAF RJSA 150508Z(対象空港:青森空港 15日14:08発表)(抜粋)

  • 1506/1612 28005KT 8000 -SHRA …(15日15時〜16日21時 視程8000m 弱い雨 風は西から5ノット)
  • TEMPO 1509/1515 3000 -SHSNRA …(15日18時〜16日0時 時々 視程3000m 雪寄りの弱いみぞれ
  • TEMPO 1515/1600 0700 SHSN …(16日0時〜16日9時 時々 視程700m 中程度の強さの雪
  • TEMPO 1600/1606 0500 SHSN …(16日9時〜16日15時 時々 視程500m 中程度の強さの雪
  • TEMPO 1606/1612 1500 -SHSN …(16日15時〜16日21時 時々 視程1500m 弱い雪

[更新] ベースの天気が雪に更新されたので、新しい物を貼っておきます。

TAF RJSA 151117Z(対象空港:青森空港 15日20:17発表)(抜粋)

  • 1512/1618 27008KT 6000 -SHSN …(15日21時〜17日03時 視程6000m 弱い雪 風は西から8ノット)
  • TEMPO 1512/1515 1500 -SHSNRA …(15日21時〜16日0時 時々 視程1500m 雪寄りの弱いみぞれ
  • TEMPO 1515/1600 0700 SHSN …(16日0時〜16日9時 時々 視程700m 中程度の強さの雪
  • TEMPO 1600/1606 0500 SHSN VV003 …(16日9時〜16日15時 時々 視程500m 鉛直視程300ft 中程度の強さの雪
  • TEMPO 1606/1618 1500 -SHSN …(16日15時〜17日3時 時々 視程1500m 弱い雪

※ 「SH」は驟雨や驟雪など、対流性の雲からの降水であることを表しています。みぞれについてどう書けば分からなかったので上の解説では略しました。

なお、ANA では、16日の青森発着便が雪のため条件付き運航となる可能性があるとしています。(既に始発便は天候調査中となっています)

国内線運航状況のご案内サービス│航空券│ANA SKY WEB


また、秋田でも明日にかけて SNRA(雪寄りのみぞれ)や一時雪と、やや強い風が予想されています。

TAF RJSK 150514Z(対象空港:秋田空港 15日14:14発表)(抜粋)

  • 1506/1612 14004KT 8000 -SHRA …(15日15時〜16日21時 視程8000m 弱い雨 風は南東から4ノット)
  • TEMPO 1506/1512 3000 TSRA …(15日15時〜15日21時 時々 視程3000m 中程度の強さの雷雨)
  • BECMG 1510/1512 29013KT(15日19時〜15日21時 次第に 風が西北西から13ノットに変化)
  • TEMPO 1512/1515 3000 -SHRA …(15日21時〜16日0時 時々 視程3000m 弱い雨)
  • TEMPO 1515/1600 1500 -SHSNRA …(16日0時〜16日9時 時々 視程1500m 雪寄りの弱いみぞれ
  • TEMPO 1600/1609 29015G25KT 2000 -SHSN(16日0時〜16日9時 時々 視程2000m 弱い雪 風は西北西から15ノット・瞬間25ノット)

低温となる地域では路面状態が悪くなったり、動植物への影響が考えられます。降水がある所では視程悪化、それらによる交通機関への影響、その他の所でも体調管理にご注意ください。

(おまけ)

ここ72時間の新千歳空港のデータ。赤が気温、点線は前日同時刻との差、濃い青は空気中の推定水蒸気量。

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昨日(14日)は低気圧接近に伴って一時的に南から暖かい空気が入り、朝の内は前日(13日)同時刻と比べて +10〜13℃ と高く推移。空気中の水分量も増加していきました。

午後になると寒冷前線が通過。やや強めの雨が降り、その後空気が一気に乾燥。水分量はピークの半分以下にまで減少しました。

気温はやや遅れて低下。夜には5℃を切り、前日同時刻比±0℃に。

その後も気温は下がり続け、深夜には0℃付近、前日比-7℃と大きく変化。

今日(15日)もあまり気温は上がらず、もう一段強い寒気がやってきて、さらなる気温低下、降雪が始まりました。

明日(15日)の午後以降は強めの寒気がやってくるかも

現在、前線を伴った低気圧が日本付近を通過中。広範囲で雨が降っています。

明日は、その後ろにあるもう一段強い寒気の先端(=シャープではないものの、寒冷前線とも言えそう)が通過し、北日本には強めの寒気が入ってきます。

大雑把には、明日朝9時時点で先端はこの辺でしょうか。(出典:気象庁 | 天気図 を編集して作成)

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(あんまり資料を見ずに適当に書いたので間違っていたらごめんよ)

夜には氷点下となる所も多くなり、東北地方や北陸地方の平野部まで雪やみぞれになってもおかしくない感じですね。

北日本や北陸、東日本の高地ではそろそろ雪用タイヤ必須ですかね。ま、それらの地域の方はちゃんと準備していると思いますが。余所から行く人は要注意ですね。

また、風もやや強まりそうです。雪や風で交通機関に若干の乱れが出ることも考えられるので、最新の情報を入手し、代替手段も頭に入れておきましょう。

国外では、大陸や朝鮮半島(特に北朝鮮)あたりは強烈に冷えそうです。

着実に真冬に向かって進んでいるのを実感します…。